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1. 初めての不動産(空き家・実家)売却で
知っておきたい3つの基礎知識
初心者が最低限知っておきたい3つの基礎知識「不動産売却の種類」「不動産売却にかかる税金・費用と使える控除・特例」「不動産売却の流れとかかる期間」について解説しています。
1-1. 不動産(空き家・実家)売却の種類
ここでは不動産(空き家・実家)売却の種類について解説いたします。自分に合った売却方法の選択にお役立てください。
1-1-1.不動産売却の方法は大きく2種類
不動産売却の方法は大きく2種類あります。
高く売りたい場合には「仲介(媒介)※1」、早く売りたい場合には「買取※2」が選ばれるのが一般的です。
※1「仲介(媒介)」とは不動産会社が売却物件の購入者を探し売買を仲介する事です。
※2「買取」とは不動産会社が売却物件を査定し買い取る事です。
【不動産売却の方法2種類】
仲介(媒介) | 買取 | |
---|---|---|
売る相手 | 個人 | 不動産会社 |
仲介手数料 | かかる | かからない |
売れる価格 | 個人 | 相場価格の約7割程度になる |
選び方 |
|
|
1-1-2.仲介(媒介)契約は3種類
不動産会社と結ぶ仲介(媒介)契約は大きく3種類あります。
- 自分で売却を主導し、複数の不動産会社とやり取りできる方「一般媒介契約」
- 売りにくい物件を売りたい方は「専属専任媒介契約」
- どちらを選ぶべきか分からない方はその中間の「専任媒介契約」
を選ぶのが一般的です。
【仲介(媒介)契約3種類】
※表は左右にスクロールして確認することができます
一般媒介契約 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
特徴 | 売主が主体的に動ける | 不動産会社のサポートが最も手厚い | 一般と専属専任の間を取ったような形態 |
自分で買主を 見つけて取引 |
〇 | × | 〇 |
依頼できる会社の数 | 複数社 | 1社のみ | 1社のみ |
売主への報告義務 | なし | 1週間に1回以上 | 2週間に1回 |
レインズ※への 物件登録 |
× | 〇 | 〇 |
選ぶべき人 |
駅近、築浅など好条件の物件を持っている人 |
|
|
※レインズとは、不動産会社間で売却物件の情報を共有するための公的なネットワークです。
1-1-3.空き家・実家売却の3つのパターン
空き家・実家の売却には、主に以下の3つパターンがあります。
家の築年数や立地、売却にかけられる時間的余裕等を鑑みて、最適な方法を選択します。
〈空き家・実家の売却 3パターン〉
- 中古物件、もしくは古家付き土地として売る
- 更地にして売る
- 買い取ってもらう
中古物件、もしくは古家付き土地として売る
中古物件と古家の違いは、「建物に経済的な価値があるかどうか」です。
おおむね法定耐用年数を目安として考えることが多く、木造戸建てなら例えば築20年を超えたあたりから、古家としての扱いになる傾向です。
建物を取り壊さずに売れるので、解体費用が掛からず、売却活動がしやすいことがメリットです。
更地にして売る
空き家・実家の傷みが酷い場合は家を解体し更地にした状態の方が買い手がつきやすい場合があります。
買い取ってもらう
不動産会社に買い取ってもらえば、仲介では買い手がつくまで時間のかかる空き家でも、すぐに手放すことが可能になります。
買取してくれるかどうかはやはり立地次第で、加えて売却価格は低くなりますが、すぐに換金できるところが魅力です。
1-2.不動産(空き家・実家)売却にかかる税金・費用と使える控除・特例
1-2-1.売却にかかる税金・費用
不動産売却にかかる税金・費用はいくつかありますが、利益が出た場合にのみかかる「譲渡所得税・復興所得税・住民税」が最も重い負担になりがちです。
【不動産売却にかかる税金・費用 一覧】
※表は左右にスクロールして確認することができます
概要 | 税額・費用の目安 | 支払い時期 | |
---|---|---|---|
譲渡所得税・ 復興所得税・ 住民税 |
不動産を売って利益が出た場合にかかる | まず譲渡所得を計算してから、指定の税率を掛ける。所有期間が5年を超えているかで税率が異なり、超えている方が税金は安くなる。 | 確定申告後 ※住民税は売却翌年の6月以降 |
仲介手数料 +消費税 |
仲介手数料には法令で上限が定められている。 消費税は基本非課税だが、仲介手数料等に対して消費税がかかる |
仲介手数料は、物件の売買価格×指定の料率(3~5%)程度。 その仲介手数料の10%分の消費税 |
契約・引渡時に1/2ずつ |
抵当権抹消費用 | 住宅ローンの抵当権が残っている場合 | 個人で抵当権を抹消するための登録免許税は不動産1個に対し1,000円 司法書士に依頼した場合は2~3万円 |
契約終了時に清算 |
印紙税 | 契約金額によって左右される |
最低基準は契約金額10万円超え50万円以下で200円、5千万円を超え1億円以下のもので3万円 参照:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」 |
契約書類作成時 |
必要な書類の 取得費用 |
不動産を売却するときに必要な書類を取得するための費用 | 一部につき300~500円程度であることが多い | 書類取得時 |
復興特別所得税以外は2種類の税率が設定されており、長期保有した物件の売却は税金が安くなるように設定されています。
「長期の定義」
譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えているもの
(親が所有していた期間も含む)
「短期の定義」
譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下
(親が所有していた期間も含む)
【譲渡所得税、復興特別所得税、住民税の税率まとめ】
税金の内訳 | 短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 |
---|---|---|
譲渡所得税 | 30% | 15% |
住民税 | 9% | 5% |
復興特別所得税 | 2.1% | 2.1% |
引用:国税庁
短期譲渡所得の税額の計算
国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算
1-2-2.売却時に使える控除・特例
現在お住まいのマイホームを売る場合は、手厚い控除・特例が設定されていて優位です。相続した空き家で使えるものも併せて、使いやすい順に並べて紹介いたします。
【不動産を売却した時に使える控除・特例】
概要 | |
---|---|
居住用財産の3,000万円控除 |
マイホームを売った場合、要件を満たせば所有期間の長短に関わりなく譲渡所得から最高3,000万円までを控除するというもの。 参考:国税庁No.3302 マイホームを売ったときの特例 |
10年超えの居住用財産を 譲渡した場合の軽減税率の特例 |
マイホームを売った場合で、かつその保有期間が10年を超えていた場合、軽減税率が適用されるというもの。 |
特定空き家の3,000万円特別控除 ※令和9年12月31日まで |
相続または遺贈により取得した被相続人の居住用の家屋および敷地について、要件を満たせば譲渡所得の金額から最高3,000万円までを控除するというもの。 |
事例はこちら:【松山市編】相続に関する悩みを解決した事例
1-3.不動産(実家・空き家)売却の流れとかかる期間
不動産売却は以下のような流れに沿って行われます。
かかる期間はトータルで、短くて約4か月、長くて1年程度です。
1.不動産会社に査定を依頼する
〈売主様がすること〉
- 「いつまでに」「いくらで」売りたいかを決めておく
売主様のご希望に出来る限り沿いつつ、約1週間で公正な価格を算出致します。
2.媒介契約を締結
〈売主様がすること〉
- 媒介契約時に必要な書類を準備しておく
査定価格にご満足いただけましたら、ご契約となります。
必要書類に関しては、本人確認書類を含めご自身でご用意いただくものと、市役所・法務局で取り寄せていただくものがあります。
査定の依頼を頂いてから契約の締結まで、およそ1~2週間ほどかかる傾向です。
3.売却活動開始
〈売主様がすること〉
- 物件状況報告書と付帯設備表への記入
- 内覧の対応をする
不動産会社が用意する物件状況報告書と付帯設備表に記入し、業者ネットワークに売主様の物件の情報を流して、より好条件の買い手が見つかるようにしてもらいます。
居住しながら売却をする場合には、売主が内覧の対応をします。
その際水回りを重点的にクリーニングしていると好印象です。自分でしても、ハウスクリーニングを利用してもよいでしょう。
4.買主と売買契約締結
〈売主様がすること〉
- 重要事項説明書・売買契約書の確認
- 必要書類の準備
- 手付金の受け取り
- 仲介手数料の半金を払う
買主から買い付けの申し込みが入ったら、不動産会社と一緒に重要事項説明書と売買契約書について「間違いがないか」「記入が漏れているところはないか」の確認をします。
そのあと、改めて買主と買主側の不動産会社とも立ち会いのもと、もう一度重要事項説明の読み合わせを行い、問題がなければ売買契約書の締結を行います。
売却活動開始から売買契約締結までは、大体3~6ヵ月程度かかります。
なお、この際、手付金として仲介手数料の半金を払う場合もあります。
5.決済・引き渡し
〈売主様がすること〉
- 売却価格分のお金を買主から受け取る
- 仲介手数料の残りの半金を払う
- 抵当権抹消手続きをする
- 鍵・書類を引き渡す
抵当権抹消手続きは、司法書士が対応します。
全て手続きが終わったら、買主に鍵と書類の引き渡しをします。
決済・引き渡しには2週間~1ヵ月程度かかります。
6.確定申告
〈売主様がすること〉
必要書類をそろえて確定申告を行う
確定申告は売却の翌年、2月中旬から3月中旬の間に行います。
書類をそろえたら税務署にて手続きをします。複雑な手続きになるため、税理士に依頼してもよいでしょう。
2.松山市で上手に不動産(空き家・実家 等)売却をするコツ
2-1.松山市の不動産売却相場と概況
近年の松山市の不動産の売却相場は、種類別に大体以下のようになっています。
【松山市の不動産の売却相場 種類別】
戸建て | マンション | 土地 |
---|---|---|
仲介……2,103万円 買取……1,472万円 |
仲介……1,926万円 買取……1,348万円 |
仲介……1,728万円 買取……1,210万円 |
松山市の不動産(空き家・実家 等)売却相場の概況
松山市の不動産(空き家・実家等)、中古マンション、地価ともに市中央エリアは上昇していますが郊外エリアでは下降し、二極化が進んでいます。
市中央エリアの物件は相場が高くなっていますがあまり出回ることがなく、売りやすい状態にあると言えます。
その他、堀江エリアや垣生エリアの物件は中央エリアに比べると手ごろな価格で取引されることが多いです。加えて中央部までも車で10~20分程度と行きやすい事と、緑豊かな住環境が支持されてファミリー層に多く売買されています。
2-2.松山市で上手に不動産(空き家・実家 等)を売却するコツ
- 相続手続きも得意な不動産会社を選ぶ
- 地域密着型で、地元の特色に精通した不動産会社を選ぶ
- 信頼できる担当者がいる不動産会社を選ぶ
相続手続きも得意な不動産会社を選ぶ
空き家・実家の売却では、相続によって所有した不動産だという方も多いです。
相続による売却は、一般的な売却と比べて名義変更など煩雑な手続きを必要とするものがあるため難易度が高めです。
従って相続手続きについても経験豊富な不動産会社を選ぶことをおすすめします。
地域密着型で、エリアの特色に精通した不動産会社を選ぶ
地元の特色に精通した不動産会社は、そのエリアの相場やニーズについてよく知っているので、お客様の不動産がどんな相手にとって最も価値があるかを知って、正しい売りだし方を提案してくれます。
例えば、同じ松山市でも、市の中心を担う松山駅周辺のエリアと、豊かな自然が堪能できるものの交通は便利とは言えない島しょ部エリアなどでは、買い手のニーズは大分違ってくるので、売り出し方も大きく変わると言えます。
当社は地域密着で不動産売買を行なっています。業界20年以上の実績を持つ松山出身の代表が全てのお客様に直接対応しているため、幅広い案件に対応可能です。
信頼できる担当者がいる不動産会社を選ぶ
不動産売却が上手に進むかどうかは担当者によるところが大きいです。何社かの不動産会社に査定を依頼することは一般的ではありますが、査定額が高額だというだけで選ぶことは望ましくありません。
売却の背景やそれに伴う問題などを正しく把握し、適切なアドバイスをくれる担当者のいる不動産会社を選びましょう。
3.必要書類の詳細と入手場所一覧
不動産売却の流れは6段階に分けられ、それぞれの段階で必要な書類が異なります。
流れに沿って、必要な主要書類と取得できる場所を一覧で表にまとめました。
【不動産売却の流れと主要な必要書類、取得できる場所 一覧】
※表は左右にスクロールして確認することができます
流れ | 取得できる場所 | 主要な必要書類 |
---|---|---|
査定依頼する | 法務局 | 土地・建物登記済権利証もしくは登記識別情報 |
市役所 | 固定資産税評価証明書 | |
媒介契約締結 | 自己所有 | 間取り図(マンションと戸建て) |
本人確認書類 (健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードなど) |
||
必要に応じ、 土地家屋調査士に測量を依頼 |
土地測量図、境界確認書(土地と戸建て) | |
マンションの管理組合・ 管理会社に自分で依頼 |
マンション管理規約の書類(マンションのみ) | |
マンションの維持費関連書類(マンションのみ) | ||
仲介売却なら不動産会社に発行依頼 | 重要事項調査説明書(マンションのみ) | |
不動産会社で記入 | 物件状況報告書と付帯設備表(戸建てのみ) | |
売却活動開始 | ― | ― |
売買契約締結 | 自己所有 | 固定資産税納税通知書 |
実印 | ||
決済・引き渡し | 市役所 | 印鑑証明書 |
法務局 | 抵当権など抹消書類 | |
自己所有 | 預金通帳 | |
確定申告 | 税務署 | 確定申告書B様式(譲渡所得が出た場合に必要) |
確定申告書第三表(分離課税用の申告書) | ||
譲渡所得の内訳書 | ||
不動産購入時の売買契約書のコピー | ||
取得費用の領収書コピー | ||
不動産売却時の売買契約書のコピー | ||
譲渡費用の領収書コピー | ||
自己所有 | 源泉徴収票 | |
本人確認書類 (健康保険証、 運転免許証、 マイナンバーカードなど) |
||
法務局 | 登記事項証明書 |
※なお、上記必要書類は場合によって異なり、基本的には不動産会社が都度教えてくれます。
4.松山市での不動産売却&確定申告時の
必要書類入手先住所・連絡先
松山市で不動産の売却や確定申告を行う際に必要な書類の入手先・連絡先を掲載します。
市役所
【松山市役所】
〒860-8601松山市中央区手取本町1番1号
電話番号:096-328-2111(代表)
HP: https://www.city.matsuyama.ehime.jp/
法務局
【松山地方法務局】
〒790-8505 松山市宮田町188番地6 松山地方合同庁舎
電話番号:089-932-0888(代表)
HP: https://houmukyoku.moj.go.jp/kumamoto/table/shikyokutou/all/honkyokutouki.html
税務署
【松山税務署】
〒790-0808松山市若草町4番地3松山若草合同庁
舎電話番号:089-941-9121
HP: https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/location/ehime/matsuyama/index.htm
5. 松山市での空き家・実家のおすすめ活用方法5つ
空き家(実家)を相続で所有した場合のおすすめの活用方法を5つご紹介いたします。
【松山市で相続した実家・空き家のおすすめ活用方法5つ】
※表は左右にスクロールして確認することができます
順位と活用方法 | 向いている地域 | 始めやすさ | 収益性 | リスク |
---|---|---|---|---|
1位 アパート経営をする |
大学周辺、土居田町、山越町など | 〇 | ◎ | × |
2位 民泊経営をする |
道後エリア、丸ノ内など | 〇 | 〇 | 〇 |
3位 駐車場経営をする |
番町エリア、道後エリア、住宅街など | ◎ | 〇 | 〇 |
4位 戸建て賃貸経営をする |
和泉南、北斎院町など | ◎ | 〇 | △ |
5位 サービス付き高齢者住宅を経営する |
中島エリア、北条エリアなど | × | △ | △ |
6.松山市での空き家の処分に関する相談先
松山市で空き家の処分に困ったときの代表的な相談先を掲載します。
不動産会社
T-コンサルティング株式会社は不動産売買を専門に取り扱う不動産会社です。
空き家・空き地の活用方法や処分の仕方についての相談も受け付けています。
T-コンサルティング株式会社
〒790-0021 愛媛県松山市真砂町6-4
電話:089-904-5544
FAX:089-904-1180
営業時間:9:30~18:30
定休:水曜日
HP: https://www.taro-realestate.jp/
公共機関
【松山市役所 空き家の各種ご相談窓口のご案内】
松山市役所では市の窓口や専門家団体が空き家に関する相談を受け付けています。
受付窓口:空き家対策課
電話番号:096-328-2514
HP: https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/Detail.aspx?c_id=5&id=26046
公益社団法人 愛媛県宅地建物取引業協会
【不動産無料相談】
不動産に関する様々な事柄についての相談に対応する「不動産無料相談所」があります。
愛媛県不動産会館(相談係)にて、週2回(原則 月曜日・木曜日) 13:00~16:00に予約制で相談を受け付けています。
愛媛県不動産会館
〒862-0950 松山市中央区水前寺6丁目1-31
電話:096-213-1355